今年初めに住宅ローンの固定金利引き上げがありましたが、その後の長期金利の動きは投資家からのプレッシャーがあり、0.5%を超える時もありますが日銀が買い支え、抑え込んでいる状態が続いています。
新総裁の植田氏は2月24日の国会答弁で「政府と密接に連携しながら、経済、物価情勢に応じて適切な政策を行い、構造的に賃金があがる状況を作る」と述べており、現状では黒田総裁の政策を継続する見込みです。
と言うことは、長期金利の上限を0.5%に抑え込む政策を維持すると言うことです。
長期金利の引上げは、住宅ローンの固定金利の引上げに直結することは、昨年末に日銀が0.25%から0.5%に金利引上げを発表後、すぐに各大手金融機関が固定金利の引上げを発表したこともよりも明らかです。
このような状況の中、住宅の売行きは今後、どのようになるのでしょうか。
中古マンション市場で考えます。
*新築マンションは人気物権の発売時期によってデータに偏りが出るため、不動産の傾向を考える時は中古マンションのデータが良い。
昨年から売行きは減少傾向
首都圏ではこの1年間で成約件数(売買が成立した件数)は徐々に減少傾向にあります。

原因としては電気代を始めとする光熱費の値上、物価の高騰により経済に対する先行き不安、家計の圧迫があります。
この傾向は首都圏の各県でいずれも同様の傾向があり、都心、郊外の区別なく売行きは減少傾向にあります。

価格は値上がり傾向
一方、売行きに反して成約した物件の価格は値上がりを続けています。

一般的に希望売却価格と売買成約価格は5~6%が妥当です。
3,000万円で売りたい売主さんが実際に売れた価格は2,850万円と言うことです。
乖離度が10%はかなり相互での価格差があり、物件に高値感があり買い控え傾向にあると言えます。

このような傾向が続くと、いずれ物件価格は値崩れを起こす可能性があります。
2023年1月の結果だけでは判断できませんが、2月、3月もこの傾向が続くようであれば中古マンション価格は値下がりする可能性があります。
住宅ローン金利への不安
2023年1月に住宅ローンの固定金利は引上げられました。
その結果が買い控えにつながっていることも事実ですが、今後の固定金利の予測は下がることは無く、上がる傾向にあることは皆さんもご承知のことでしょう。
前回、ブログにアップしたように固定金利に連動する長期金利(10年国債)は投資家の圧力によりいつ値上がりしてもおかしくない状況です。
固定金利による購入をお考えに方は早く購入に踏み切るべきだと言えます。
しかし、日銀は0.5%の金利を守る政策を継続するとしています。
また、変動金利は政策金利に連動しますが、現在の景気状況から考えるとゼロ金利政策を変更することはできない状況にあります。
4月から就任する植田新総裁も先日の国会で「現在の金融政策を維持する」と答弁しています。
以上の事から、この先数カ月は状況が大きく変わるとは考えられません。
であれば、中古マンション価格の傾向を見極まる期間としては十分なのではないでしょうか。
慌てて購入を決めることは控え、数カ月、価格と乖離度の傾向を見極まるべきと判断します。
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