住宅ローンの変動金利タイプ、期間固定選択タイプには金利上昇のリスクがあります。
今日は金利上昇時への対策とは何か?をテーマにします。
昨年の売買アンケートからわかること
まず、すでに住宅ローン契約を行っている方は金利上昇対策をどのように考えているのでしょうか。
ちょっと驚く結果ですが、住宅金融支援機構(住宅ローン利用者の実態調査)の調査結果です。
調査は2022/4月28日~5月6日の期間に住宅ローン契約をした方を対象に実施されています。
その意味では最近の住宅購入者のリスクへの考え方を示す結果を表していると言えるでしょう。

この結果を見て恐らく、多くの方がびっくりしたはずです。

ひとつは、そんなにお金の余裕がある人がいるのか?
もうひとつは、おいおい無防備すぎるだろー
そこで質問項目を「自己資金に余裕」がある方として返済継続、全額返済と答えたグループ、繰上げ返済や借換え等の手段を考えた上で契約された方を「何らかの対策を持っている」グループ、見当がつかないやわからないと回答された「無策」グループに分類しました。

約8割の皆さんは、金利上昇リスクへの検討や腹積もりがあって契約されている実態がわかりましたが、一方で2割の方はリスクに対して無策な状態で住宅ローン契約をしていることが確認できます。
資金力がある方の対策は参考にならないとして、また無策の方は実際その事態になった時に上手く乗り越えてもらうことを祈りながら、ここで注目したいのは対策を持っている方が考えている対策の中身になります。
対策の中身とは
調査の設問では概ね3つの方法を示しています。
が知りたいのは、何らかの対策を持っている人たちの対策の中身ですよね。
アンケート調査では3つの方法が示されています。

返済額圧縮を繰上げ返済と同じと考えている方もいますが、設問で別々に区別している以上は異なる方法と考えて話を進めます。
返済額圧縮・繰上げ返済と借換えの違いを理解しましょう。
両者の大きな違いは、前者が現在の契約を継続して返済条件を変更するのに対して、後者は契約そのものを変更することです。

それぞれにメリット、デメリットがありますが、どの方法を選択するかは皆さんの家計の状況によって決まることになります。
対策の方法を確認する前にもう一度、住宅ローンのおさらいします。
住宅ローンの支払金額は元金と利息の2つの項目から構成されています。

元金は金利タイプや支払い方法(元利・元金)により影響を受けることはありません。
利息は返済期間、月返済額、金利(利率)によって決定されます。
金利が上昇した場合、総利息額が増えるため返済総額が増加することになります。
これを踏まえて各金利上昇への返済額増加の対策を比較します。
対策 | 要件(必要な条件) | 備考 |
返済額圧縮 (月返済額増額) | 毎月の支払額の増額 | 毎月の返済額を増額する 返済期間が短縮される |
返済額圧縮 (返済期間短縮) | 毎月の支払額の増額 | 返済期間を短縮する 毎月の返済額増額 |
繰上げ返済 | まとまった資金が必要 | 月の返済額、返済期間の短縮のいずれか、あるいは両方を選択 |
借換え | 借換え手数料 | 借換え時の返済残高を違う住宅ローンで契約 |
文字だと分かりにくいかもしれません。
イメージとしては・・。
返済額圧縮
返済額圧縮は毎月の返済額を千円単位で増額できる方が選択する方法です。

返済期間を短くすることで支払利息総額を減らすことが出来ます。
返済額を決め、結果として返済期間が短縮される方法と返済期間を短く設定することで返済額が決まる方法があります。
繰上げ返済
次は繰上げ返済です。

1万円単位(借入先、契約によって金額は異なります)で家計に余裕が出来た時に利用する方法です。
毎月の返済額を少なくすること、返済期間を短縮することも可能です。
元金を減らすことで支払利息総額を減らす方法です。
借換え
最後は借換えです。
借換え前のローン残高を違い住宅ローン商品に乗り換える方法です。
借換えは新規のローンを組むことになるため、手数料等が必要になります。
そのため、金利の低さだけで決めると効果が出ない、あるいは逆効果になるケースがあります。

如何ですか?
金利上昇へのリスク対策のイメージはできましたか?
それでは、ひとつひとつ詳しい内容を確認することにしましょう。
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