何々?
「新短プラ」って何って話ですが。
住宅ローンの変動金利が何で「新短プラ」と関係するの?
その疑問は当然です。
今回は、変動金利が何によって決定されているかを皆さんに理解して頂きます。
WEBでよく説明されている短プラ、新短プラは以下のような文章です。
銀行が最優良の企業(業績が良い、財務状況が良いなど)に貸し出す際の最優遇貸出金利(プライムレ
ート)のうち、1年以内の短期貸出の金利を「短期プライムレート」(略して「短プラ」)といいます。
わかったようでわかない説明ですよね。

以前は短期プライムレートは、各銀行が公定歩合(日銀が決めた金利)に連動した金利をもとに、信用リスクの大きさに応じて上乗せ金利を付加して決めてきました。

皆さんから預かった貯金を企業に貸出すわけですが、いつ皆さんが解約するかわかりません。
そこで日銀からお金を借りた時の金利を想定して金利は決められていました。
これが短期プライムレートです。
1989年以降は、市中金利に連動して総合的な調達コストをベースに決定されるようになりました。
譲渡性預金(CD)などの市中金利に連動して決められ、「新短期プライムレート」(略して「新短プラ」)と呼ばれています。

*市中金利とは市場金利とも言われますが、民間の金融機関の貸出金利や預金金利のほか、金融機関同士の取引で使われる金利などのことです。
*譲渡性預金(CD)とは銀行が無記名の証書を発行することで譲渡が可能となっている定期預金のことで銀行間でお金の融通をする時に使います。
ますます理解ができなくなりますよね。
ただ、何となく世の中にはいっぱい金利があることは何となくわかりましたよね。
市中金利の中で重要な金利は金融機関同士の取引で使用される金利で、これを短期市場金利と言います。
これは金融機関などが当面の資金の貸し借りを行う市場の金利で、期間は1年以内です。
短期プライムレートが銀行・企業間の貸し借りでしたが、これに対して新短期プライムレートは銀行間のお金の融通をする時の金利と言うことです。

この金利は金融市場の需要と供給によって常時変動します。
市場全体のバランスで決定されていますが、1年は長すぎます。
そこで目安ひとつとして「無担保コールレート」というレートが注目されました。
無担保コールレートは、金融機関同士が貸し借りを行う取引で1日で満期を迎える超短期の貸し借りです。
皆さんでも友人と「明日返すからちょっと貸して」「いいよ、ジュース一本ね」とかありますよね。
あれが銀行間で行われています。

「無担保コール翌日物金利」や「無担保コールレート(オーバーナイト物)」とも呼ばれています。
ここで重要なことはこの金利は日本銀行が金融政策の狙いを示しているものと言われています。
短プラ、新短プラに連動すると言われていますが、この無担保コールレートが目安になっています。
そして、この金利が変動金利のベースになる金利です。
そのため住宅ローンの変動金利は一日の銀行間の融通金利に+1%とすることが一般的です。
言い換えると変動金利は日銀の政策権利に連動すると言うことです。

ここまで来るとわかりますよね。
住宅ローンの変動金利は日銀の政策金利によって決定されると言うことです。
では日銀の政策金利について分かり易く説明します。
皆さんは現在日銀がマイナス金利政策を行っていると聞いていますよね。
でも、これって何?って思っている方は多いのでは。
2016年1月にマイナス金利政策を導入し、日銀当座預金の一部にマイナス0.1%の金利を適用することにしました。
これは、金融機関が日銀の口座に預金を預け入れると0.1%の金利を支払わなければいけないというものです。このマイナス0.1%が、現在の日銀の政策金利となります。
日銀に預けると減るから市場に融資をしない儲けりませんよと圧力をかけたわけです。

銀行は融資の金利で儲けを得る会社です。
市場に貸出す以外に儲ける方法はありません。
しかし、世の中は不景気でした。
高い金利の商品では誰も借りてくれません。
貸出金利を下げることで投資家や企業に金融投資や設備投資を促して、景気の回復を図ろうとしているのが日銀の政策です。
もっとも効果が出たのは株式市場です。
株価はどんどんと上がりました。
また、投資家以外では住宅取得希望者への低金利商品の提供です。
この恩恵を受けて多くの方が安い金利で住宅を購入されたわけです。
でも、気になるが金利上昇の流れですよね。
2023年以降の変動金利の動向を考えるには日銀の政策金利をしれば、変動金利の上昇はあるのかも見えてきます。
次回は日銀の政策金利を考えることにしましょう。

コメント