変動金利の引上げはしばらくありませんと幾ら説明しても不安を払しょくできない人がいることも十分知っています。
金利の引上げの相談を受けた時にお話しすることがあります。
「そんなに不安なら一度、今のご自宅を売った時のことを調べてみたらいかがですか?」
当然に驚かれますが、こちらの真意としては最悪の事態になった時、資産は幾らの残るのかを知れば不安は無くなるではと考えているからです。
調べるのはそんなに難しいことではありません。
1、ネットで物件評価額を調べる
2、近所の不動産屋に聞いてみる
大体の売却価格はわかります。
ただし、提示される価格は不動産売却希望価格であって売却価格ではありません。
提示された価格の8割程度と考えておくべきでしょう。
それを元にローン残高と比較すれば売却した時の収支の目安は確認できます。
購入した時期、立地場所、間取り等によって売却マンション価格は物件ごとに異なりますが、戸建てと違いマンションは土地の評価額が低いため年数と比例して下がります。

しかし、マンション全体の価格が高騰した、立地場所の人気が上がったなど様々な要因でその時々にマンションの売却価格は変わります。
最近の例では都内のマンション価格の高騰で20年前に購入したマンションが1.5倍の価格で売ることが出来た人もいます。
また、逆の事例も多数あります。
大切なことは住宅ローンの返済が困難になって自宅を手放すしかなくなった時のシミュレーションをやっておくことです。

不安の元の多くは「漠然として実態がわからない」ことが原因です。
最悪、この程度の負債が発生すると判れば、現在の家計を見直す本気度もかわりますよね。
「老後資金の心配よりまずは返済!」「保険は最低限にしても乗り切る」と言った具合に腹が決まると言うか、覚悟が決まると言うか。

その気持ちが実は大切だったりします。
ローン破綻をする方を多く見てみましたが、そのほとんどが、全部欲しい!何も手放したくない!と思って無理に無理を重ね、最後は自転車操業も出来なくなって傷口を大きくしてしまうケースです。
信じられないかもしれませんが、見切りをきちんとつければ、家は買い直すことができます。
要は、現状のリスクを自分がどの程度、正確に把握できているか。
これが一番重要です。
そのためのひとつの手段として「今の家を売ったら手元に幾ら残る?あるいは幾らの負債を負う?」をしっかりと知っておくことが重要なことです。
ちなみに、紹介したシミュレーションは、不動産投資では毎年各物件毎で行います。
利回りの悪くなった物件は、売却、再投資を行う必要があるためです。
「売り時」と「買い時」をきちんと見極めるための大事なお仕事です。
*不動産屋さんに売却の評価額を聞くと後々、営業されて面倒と思っている方へ。
宅建業法に営業活動の規制が定められています。
「売る気はありません。」と回答すれば大丈夫です。
それでもしつこければ「断っているのに営業電話を掛けてくると通報します」と伝えれば応じます。
FJマンション管理士事務所は、不動産に関わるファイナンシャルアドバイスを行っています。
何あった時に、相談できる専門家とつながりを持つことが大切です。
お気軽にお問合せください。
