変動金利利用者に過度な不安を持つ必要はないと言う理由

渋谷オフィス
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昨日の日銀の政策発表は、当事務所が予想していた通りでした。

当事務所のユーザーには事前に報道に惑わされずにこれまで行って来た来るべき日(変動金利の変わり目)に備えるように伝えてあったため、問合せもなく昨日の報道を迎えました。

1月19日の市場の慌てぶりは傍から見ていると「浅ましさ」も感じられるほどで、今日になった再び、日銀への圧力を強める動きになっているようです。

円相場は再び128~129円に戻し、株価も600円以上値上がりしましたが、早々に利益を確定させる動きで300円以上値を下げています。

株の儲け方も長期を見据えた投資よりは、売り買いを繰返し小さな利ザヤでも儲けたい投資に変動している様がよくわかります。

変動金利利用者にとってはどうでも良いことで、知りたいのは変動金利の引上げは「あるのかないのか」「あるとすればいつ」と言うことでしょう。

今日は、そのあたりについて説明します。

昨日もお話ししましたが、変動金利を決める要因は、「無担保コール翌日物」と言われる銀行間の1日のお金の融通時に付けられる金利です。

このチャートを詳しく読み必要はありません。(それは専門家の仕事です。)

ただ、皆さんに、評論家や解説者がきちんと分析もせずに他人が書いた記事の猿真似をしたような記事に踊らされないでくださいと言いたいです。

このチャートから読めることは次の3つです。

マイナスで推移している

このチャートは2022年3月~2023年1月の推移ですが、この一年間、上下に変動はしていますが金利はマイナスで推移していると言う事実です。

銀行間の貸付金利は一度もプラスになっていません。

これは日銀のマイナス金利政策を反映させた結果です。

言い換えれば、日銀がマイナス金利政策を止めない限り、無担保コール翌日物の金利もプラスになることは無いだろうと言うことです。

変動幅と変動金利

この1年の変動幅は、-0.01~-0.08と大きく見えますが、皆さんの変動金利は引きあがりましたか?

変わっていませんよね。

よく変動金利は短プラと連動すると言われますが、2009年以降、短プラに変動はありません。

しかし、金融機関の変動金利の商品は昨年9月頃から下がる傾向にあったことを覚えていませんか。

「借換えローン」を進めたい銀行が変動金利を引き下げた商品を売出した時期です。

この時期の、無担保コール翌日物のチャートも金利のマイナス幅が大きくなっていますよ。

短プラだけを見ていてもこの動きを読むことはできません。

このように住宅ローンの金利を読むには経済をきちんと理解した上で、わかりやすく説明することで安心を与える必要があります。

変動金利の不安はよく理解していますが、過度に不安になる必要はありません。

皆さんに知って欲しいことは、この程度の変動幅では変動金利の引上げを起こすことは無いと言うことです。(引き下げはあります。)

昨年の日銀の金利引上げの影響

2022年12月末にいきなり日銀は長期金利の金利容認幅を±0.5に引き上げました。

これによって国債が売られ、昨日の大混乱になったわけですが、無担保コール翌日物の動きは発表数日前から変換点を迎え、金利は上昇に転じていることがわかります。

あの発表はそれほど大きなショックを金融機関にも与えたことがわかります。

今日現在の勢いだと-0.01を超えそうですが、過去のチャートを確認してください。

チャートの上下はありましたが、-0.01を超えた途端、収束していることが確認できます。

これが日銀の意志です。

無担保コール翌日物の金利が日銀の金融政策を反映させていると言われる所以です。

マイナス金利政策を維持すると言うことは無担保コール翌日物の金利もマイナスで推移すると言うことです。

今後の展望

昨日もお話ししましたが、日本経済の景気は良いとは言えません。

一部の製造業が円安の効果により業績を上げていますが、それは卓上の儲けであり、日本経済のけん引役である自動車産業は生産台数を大きく減少させています。

さらに貿易差益は過去最大の赤字(19.9兆円、2022年度)です。

このような経済状況で日銀が景気の足を止めるような政策を取るとは到底考えられません。

恐らく2023年3月の金融政策決定会議前後には今回と同様の事態は起きるでしょう。

その結果、長期金利の引上げにつながる可能性を否定はしません。

しかし、金利を引上げたとしてもマイナス金利政策をやめると言い切るまではできないと推測しています。

もうひとつ、加えるとこれから春闘です。

企業には負担を強いる国策を取る現政府、その中で日銀が政府の足を引っ張るようなことができるのか?政府もそれを容認するかを考えてみると皆さんにも予想はつくと思います。

ただし、節目が訪れるとすれば賃上げも終わり、日銀の総裁が交代する4月。

いきなりの金融政策の転換はないと見ていますが、後任次第によっては6カ月、1年後にマイナス金利からゼロ金利に若干の方向転換は頭に入れておくべきでしょう。


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変動金利の引上げの兆候を早く察知し契約者の皆さんにお届けするために、また、日頃から推奨している金利引上げ時の対策に関する様々な質問への対応、家計の破綻を見向き指針など安全に安心して家族と家を守るために情報をお届けしています。


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