世の中、変動金利がこれから数倍になると言いまわっている人、いやいや変動金利は5年ぐらいは変わらないと言ってる人と騒がしくなっています。
経済の先を正確に読むことなんて誰にもできません。
コロナの発生、ロシアのウクライナ侵攻を当てた人なんてどの程度いるのでしょうかね。
変動金利は短期プライムレートの金利引上げを行った時の日本経済への打撃を考えると上がることは数年は無いと思っています。
これについては近日中にその理由をきちんと書きます。
しかし、気になるのは4月の日銀総裁の交代です。
交代した人がどのような日本を目指すのか、そのために金融政策をどうするのかは読めません。
ゼロ金利政策の解除なんてことを一言でも言えば、経済は大混乱になります。
そうはならないとは思いますが万が一のことがないと言い切れません。
そこで、変動金利利用者の方は、今すぐ家計の現状をチェックすべきです。
準備すべき数値は次の8項目。
1、現在の預貯金残高(教育貯金を除く)
2、毎月の生命保険等の保険料
3、毎月の住宅ローン支払額
4、住宅ローン残高
5、住宅ローン以外のローン支払額
6、住宅ローン以外のローン残高
7、年収(手取、ボーナス込み)
8、現在の変動金利利率
この8項目をすべて用意してください。
1、変動金利引上げの支払額へ影響を知る
「上がる、上がる」と不安になる前に変動金利が0.1%上がるとは金額でどの程度になるのかを知ることが大事になります。
金利0.4%が例えば0.2%アップしたとすると毎月の返済額、年返済額がどの程度増えるのかを分かれば、上がった時のダメージをリアルに想像できます。
計算はWEBサイトで住宅ローンの返済シミュレーションを使えば簡単に算出できます。

簡単な入力方法です。

返済計画表と同じ表が表示されます。
これであなたの住宅ローン返済計画表が出来ました。
「想定される引上げ」の欄に自由に「初期の金利+引上げ利率」を入力すれば月の返済額は確認できます。
例、3000万円、35年返済(ボーナス支払なし)、当初金利0.5%、
15年6か月後金利がアップしたと仮定したシミュレーション
金利 | 引上げ率 | 返済額 | 差額 | 備考 |
0.50 | 0 | 77,875 | – | 現在のローン |
0.55 | 0.05 | 78,251 | 376 | |
0.60 | 0.1 | 78,627 | 752 | |
0.65 | 0.15 | 79,005 | 1,130 | |
0.7 | 0.2 | 79,384 | 1,509 | |
0.75 | 0.25 | 79,765 | 1,890 | |
0.8 | 0.3 | 80,146 | 2,271 | |
0.9 | 0.4 | 80,912 | 3,037 | |
1.0 | 0.5 | 81,683 | 3,808 | 2倍金利 |
1.25 | 0.75 | 83,631 | 5,756 | 10年固定レベル |
1.5 | 1.0 | 85,608 | 7,733 | 3倍金利 20年固定ㇾバル |
1.75 | 1.25 | 87,614 | 9,739 | |
2.0 | 1.5 | 89,650 | 11,775 | 4倍金利 フラット35レベル |

このシミュレーションが基本になります。
いかがですか?
現在の毎月返済額に+αの金額(差額)を見て、どの程度なら預貯を切り崩さずに生活ができる許容範囲ですか。
これを知っていれば「変動金利が0.3%上がりました」とわかれば、家計の月の負担が2,300円程度上がるとすぐに計算でき、対策を行うことができます。
変動金利タイプで住宅ローンを返済している方は是非、この表を作成することをお勧めします。
2、金利上昇にともなう対策のランク付け
変動金利の金利が引上げられた時の負担増が把握出来たら、次に行うべきことは、対策のランク付けです。
これは各家庭で家計の余裕がことなるため、皆さんがランクを付ける必要があります。
ひとつの考え方を示します。

ランク | 影響 | 対策 |
A | 家計の節約が必要 | 支出を見直す➡家計の総点検で対応できる範囲 |
B | 預貯金の減額が必要 | 積立額の見直し➡教育費以外の積立を一時的に圧縮 |
C | 保険の見直しが必要 | 保険の解約、見直し➡保険額を減らす、内容を見直す |
それ以上 | 預貯金の取崩しが必要 | 借換え、繰上げ返済を検討 |
増額幅に合わせ、幾つかのランクに分けを行い、各ランク別に家計にどのような影響がでるのか?
対策としては何ができるのかをシミュレーションします。
これは変動金利タイプで住宅ローンの返済を行っている方に是非、行って欲しいことです。
ここから、最初に準備した数値が必要になります。(次回に続く)
最後に
世間のニュースに踊らされてはいけません。
変動金利が上がる、上がらないは別にして、金利上昇のリスクが返済期間中は付きまとう変動金利です。
変動金利の魅力は低金利です。
その魅力を採用した以上、リスクはあるものと考え準備が必要です。
上がるかもしれません、上がらないかもしれません。
ただ、備えと心構えがあれば、それ程、恐れることはありません。
FJマンション管理士事務所は、不動産の取得をされた方にもアドバイスを行っています。
変動金利の上昇のような問題に直面した時、不安になって当然です。
ただ、恐れてばかりいても解決はできません。
何あった時に、相談できる専門家とつながりを持つことが大切です。
FJマンション管理士事務所は、不動産に関するファイナンシャルを得意にしています。
お気軽にお問合せください。

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