国土交通省は将来のマンションが不適切な管理組合運営により、老朽化が放置されれば周辺への悪影響が大きくなり、結果として自治体の財政を圧迫する事態になる可能性があると判断。
防止策のひとつとして昨年4月から分譲マンションの管理の適正化を評価する「管理計画認定制度」を施行しました。
対象は現存するマンション、これから分譲されるマンションです。
この制度は現在は任意です。
現存するマンションについては、日頃から健全な管理を行う管理組合がステータスとして認定を受ける制度です。
また、これから分譲を予定するマンションは、国のお墨付きを得た管理方法で運営される健全なマンションであることを購入者にアピールできるメリットがあります。
ただ、制度の認定を獲得するには費用も時間もかかるため、制度の開始当時からマンション管理組合のメリットがないと参加に意欲的なマンション管理組合は少ない問題がありました。
そこで、国土交通省は参加意欲を呼び起こすために、認定を受けたマンション管理組合に対してご褒美を立て続けに用意しました。
マンションの優遇金利

デベロッパーから買い取った分譲会社が管理計画認定制度の認定を受けることで、物件を購入する時にフラット35を利用すると金利ができる制度です。
管理計画認定制度には既存マンションを対象にした「管理計画認定」と新規マンションを対象にした「予備認定」があります。
マンションを購入する側にとっては、中古マンションであれば「管理計画認定」を受けたマンション、新築マンションであれば「予備認定」を受けたマンションをフラット35を利用して購入する時に金利の引下げを利用することができます。
住宅金融支援機構は様々な住宅に対して金利の優遇制度が適用できるように令和4年から金利引下げポイント制度を導入しました。

金利の引下げは「住宅性能」「維持保全」「地域連携」の各ポイントの合算で行われますが、「住宅性能」「地域連携」は自治体やマンション建設時の設備等で決まるため、適用が限定的です。
これに対して「維持保全」、特にマンションの認定制度関わるポイントの付加は管理組合の意志で決められるため適用しやすいメニューになります。
一方、既存マンションでは、ほとんどの所有者は永住を目的に購入するため、購入者にメリットがあっても住み人にはメリットを感じることが出来ず、認定制度の普及には至っていません。
他方、新築マンションの「予備認定」は分譲会社が取得するため、購入希望者に「安い金利で買えるマンション」と言うアピールポイントになります。
制度が始めってから6カ月、予備認定を取得したマンションは520棟以上あり、管理計画認定制度全体の95%以上を占めています。
0.25%、5年間の引下げとは
例えば、3000万円、35年ローンで計算すると、0.25%5年(60回)は、支払金利で70万円程度の減額効果がります。
金利上昇が噂される中で70万円の減額は購入する側にとっては非常に魅力があると言えます。

探すのは簡単
予備認定を獲得しているマンションは、国土交通省の委託機関であるマンション管理センターのホームページ確認することができます。
情報にはマンション名と住所が記載されています。
マンション名をネットで検索すれば、販売状況、物件を紹介しているホームページは簡単に見つけることができます。
これから新築マンションの購入を検討される方は、検討する候補のひとつとして考えてみては如何でしょう。

FJマンション管理士事務所のマンション管理士は、管理計画認定制度の審査を行う資格を有しています。
また、制度の普及のために管理計画認定制度推進委員会に所属して活動しています。

コメント