アメリカの1月の米消費者物価指数が公開されました。
前年同月比上昇率が市場予想を上回り、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げ長期化が維持されると考えられ、ダウ工業株30種平均が大幅に値下がりしました。
気になるのは利上げ長期化です。
長期化が続けば、日本の金利との格差は依然大きく、為替相場は円安に動きます。
現在(2023年2月15日、9:10)で132.9900円まで円安が進んできます。


日銀が前回の政策決定会議直後の円高(129円後半)になって以降、現在まで徐々に円安傾向で推移していることがわかります。
円安の動き
日銀総裁の任期は3月末、新総裁の案も国会へ提出されました。
今後は国会審議のうえで植田氏で決まると見られています。
植田氏は、これまでの会見で現時点では現行の日銀の金利政策を続ける意向を示しています。
国債の大量買い付けにより金利0.5%の維持を続ける以上、アメリカとの金利差は縮まりません。
その上、FRBが利上げ長期化を維持すると見られていることで円を嫌いドルを買う動きはしばらく続くのではないでしょうか。
物価高騰はまだ続く
輸入原材料は天然ガス、原油、小麦などは円安によって物価が高くなる要因です。
その要因の一つである為替が円安を加速させる事態になれば、更なる値上げにつながることになります。
さらに、賃上げにより企業収益への影響も4月以降顕著になります。
物価上昇率を超える7%以上の賃上げが国民全体に行われなければ、大幅な賃上げを行う大企業と賃上げができない中小企業の格差は開くばかりです。
為替で儲けるチャンス
日銀の金利政策の継続を発表した時、円為替は129円まで円高が進みました。
しかし、どう考えても円高が進む環境にはなっていません。
市場の期待感とは裏腹に、海外金利と国内金利の差は変わっていない事実を考えれば、今後も徐々に円安になると期待できます。
このような機会は年に何度かありますが、今回も大きなチャンスだと考えています。
今後の見通し
4月に新任する植田新総裁の動き次第でしょう。
それまでは円安傾向は継続すると見込んでいます。
円高への潮目は、長期金利の引上げでしょう。
ただし、早い時期に金利の引上げを容認すると見られていますが、賃上げによる収入の増加が見込まれなければ、引上げの時期は遅くなります。
円安傾向を一日でも早く収束させ、円高に導く政策が必要になります。
残り任期がわずかな黒田総裁が植田新総裁に何を残すのか?
為替、金利の動きに今後も注視が必要です。
